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納税者は損!ふるさと納税の実態・真実から導く表と裏の顔

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画像:総務省公式HP

総務省は、4月1日よりふるさと納税の返礼品限度額を3割へと制限した事により、全国の自治体が1万円の寄付に対して平均4000円分(4割)の返礼品を贈っている現状に歯止めをかけた事になる。この通知によって、ふるさと納税者の我々が一文の得をする事はもちろんなく、単純に損するだけの悲報である!!となった。

今回の通知は、自治体が競いながら豪華な返礼品を揃え、各自治体に入る収入に格差が出る事で、住民サービスに十分なお金が周りにくくなっているというものである。いつまで一億総中流時代のように格差を忌避する文化が続くのであろうか、このままではさらに富裕層が海外流出していってもおかしくなくなるだろう。

3割制限でも格差が出るようならば、次に政権交代が起こった時にはふるさと納税廃止!良くて2割制限!という新聞見出しが出るに違いない、税制改革と言うならもっと頭を使って、ただの制限政策は辞めてもらいたいものだ。今回は、ふるさと納税導入から3割制限に至るまで上寄付制度がどんな時系列経緯を辿って来たのか、裏と表の顔を考察したい

「ふるさと納税」が歩んできた歴史と今後はどうなるのか

消費者にとってお得すぎる「ふるさと納税」が導入された経緯とは

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画像:西川一誠講演会公式HP

ふるさと納税は、バブル崩壊後から広がった地方間格差過疎などによる税収減少に悩む自治体に対して格差是正を推進するための新構想として、西川一誠(現福井県知事)が2006年10月に「故郷寄付金控除」の導入を提言した事から端を発しており、そこから「ふるさと納税研究会」を総務省が設け、進められて来た。2008年(平成20年)から開始された仕組みであるが、一部の自治体では返礼金を廃止する所も出てきている

この発案には、格差是正だけでなく、故郷に税金を収めたいという思いがあった。特に、スポーツ選手や芸能人などであり、実際に活動機会が多い東京や大阪に住所は移さず、故郷への思いから生活の拠点や住民票を生まれ育った故郷に置いておくケースがあったためだ。芸能人のふるさと納税に関しては、以前池上彰の学べるニュースでも紹介されていた

「ふるさと納税」導入によって恩恵を受けられるメリット(良い点)

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①寄附をする側(我々納税者)

1. 住む場所に関係なく、愛着ある故郷へ貢献できる

2. 年収によって、リスクなく、税金(所得税・住民税)が控除できる上に、寄付先からの返礼品がもらえる

3. ポイントサイト経由の寄付によりポイントが貯まる

4. 本来は、確定申告義務がなくても寄附できる

②寄付される側(地方自治体)

1. 熊本地震や3.11で被災地になった自治体の復旧、復興に役立てられる

2. 地域で不用になった在庫処分物等を産物として活用できる

3. 各自治体が特産物を返礼品としてPRできる

4. 大都市に集中する税収を地方自治体に公平な分配ができる

ふるさと納税は、寄附する側にとって、収入に正確な寄附金を納税し、的確に確定申告やワンストップ納税制度を申請できれば損する事はないと言えるほど有益な制度である。日本の累進課税制度の様に、収める寄付金が多い人ほど寄附に回せる割合が増えるため、金持ち優遇政策とも言われている。また、知名度が高い特産物を返礼品として提供できる地方自治体は大きく税収アップが見込める制度となっている

「ふるさと納税」導入によって損害を受けるデメリット(悪い点)

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①寄附をする側(我々納税者)

1. 「確定申告」「ワンストップ特例制度」を申請し忘れると、本当に寄附しただけになってしまい、所得税や住民税が控除される事はない。税額控除を受けるために手間がかかるため、途中で諦める人もいるという

2. 所得予想金額を計算した上での寄附なため、計算を間違う人が出てくる

3. 目に見える減税が行われる前に、多額のお金で自治体に寄附をしなければいけないため、お金の用意も必要で多少不安になる

②寄附される側(地方自治体)

1. 人気のない自治体(最大の赤字を出しているのは神奈川県横浜市で、2015年度赤字額は28億798万円)と人気のある自治体(最大の黒字を出しているのは宮城県都城市)の差が広がる

2. 地方自治体によっては、特産と言えるような産物が用意できない

3. 同自治体の住民が他の自治体に寄附してしまい、税収が確保できない

ここで議論される一つの問題点として、生まれ育った市町村は愛着を持たれやすいが、都道府県は寄付が集まりにくく、ふるさと納税の恩恵を受けにくいという点だ。ここにふるさと納税が機能しない最大のポイントがありそうだ。例えば、市町村に寄付した場合、寄付をしていない都道府県民税も控除対象となってしまうため、都道府県からの反発を受けやすくなる。そして、今回の返礼品3割制限へと繋がった

「ふるさと納税」導入から返礼金3割になるまでの時系列タイムライン

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画像:総務省公式HP

 2006年(平成18年)3月16日:日本経済新聞の夕刊コラム・十字路の記事「地方見直す(ふるさと税制)案」を契機として、議題に上がることになる

2006年(平成18年)10月:現福井県知事である西川一誠氏が「故郷寄付金控除」の導入を提言

2007年(平成19年)5月:菅義偉総務相が「安倍晋三首相が総裁期間中も議論してきた重要な問題」として創設

2007年(平成19年)6月1日:「ふるさと納税研究会」の第一回会合が開かれる

2007年(平成19年)7月12日:宮城県知事(村井嘉浩氏)、山形県知事(斎藤

弘氏)、鳥取県知事(平井伸治氏)、徳島県知事(飯泉嘉門氏)、佐賀県知事(古川康氏)の5人が共同で「ふるさと納税制度スキーム」を発表。この時点で提言されていた返礼品は1割相当額が限度とされていた

2007年(平成19年)10月5日:上記5名の知事が「ふるさと納税研究会」最終報告に対するコメントを出している。一部を下記に抜粋

2008年(平成20年)4月30日:地方税法第37条2に基づいた「地方税法等の一部を改正する法律」によって、地方税法に「寄付金税額控除」が挿入された

2008年(平成20年)5月1日:「ふるさと納税」が正式に開始された、この時の自己負担分の適用下限金額は5000円。寄付金総額は、72億5,996万円に留まった

2011年(平成23年):ふるさと納税の形で東日本大震災への寄附が急増したことで、寄付金総額が649億1,490万円に達した

2012年(平成24年):自己負担分の適用下限金額が2000円(現在と同額)へと引き下げられた

2015年(平成27年)1月1日:2016年以降の個人住民税について、特例控除額の限度額が個人住民税所得割額の1割から2割へと上限枠が2倍に引き上げられた、また「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設された

2015年(平成27年)3月4日:DMM.com創業者である亀山敬司氏の故郷である石川県加賀市は、同市へのふるさと納税・寄付の特典として、「DMM.com」のコンテンツを購入できる電子マネー「DMMマネー」を返礼金として提供する「DMMふるさと納税」(寄附額の50%に当たるマネー)を3月4日を廃止した

2015年(平成27年)4月1日:総務省によって、高額な返礼品に対して自主規制する様に要請している。内容は①換金性の高いプリペイドカード等②高額又は寄附額に対し返礼割合の高い返礼品(特産品の二つである。

2016年(平成28年)4月:国が認定する地方公共団体の地方創生事業に対して、企業版ふるさと納税をスタート、最大で約6割相当額が法人関係税で軽減されるというもので最低寄付額は10万円

2016年(平成28年)5月:千葉県大多喜町は、総務省から廃止する様求められていた件で、ふるさと納税の寄付者への返礼品の一つとしている商品券「ふるさと感謝券」(返礼率7割)を同月末で廃止した

2016年(平成28年)9月14日:京都府長岡京市が、同月よりふるさと納税の寄付について自然保護、にぎわい創出、小学生の学力向上の3事業を掲げ、寄付者が支援したいと思う事業にだけ「納税」してもらう方式に改め、返礼品を贈る事を取りやめた

2017年(平成29年)2月20日:埼玉県所沢市がふるさと納税を同市に行った納税者への返礼品を同年4月から取りやめることを決定

2017年(平成29年)2月末:総務省や千葉県から以前よりふるさと納税の趣旨にそぐわないとして指摘されていた金券に関して、千葉県勝浦市はふるさと納税の返礼品「かつうら七福感謝券」を2月末で廃止した

2017年(平成29年)4月1日:総務省は、ふるさと納税制度で地方自治体が寄付者に送る返礼品の価格について、各寄附額の3割を上限とするよう地方自治体に求める方針(任意というなの強制令)を出した

2017年〜:各寄附額の3割制限を行った後も地方自治体(特に都道府県)から不満が出るようであれば、ふるさと納税自体が存続しない可能性や1-2割制限に下げられてしまう可能性があるだろう

参考記事:ふるさと納税研究会, 「ふるさと納税研究会」最終報告に対するコメント, HUFFPOST, 京都新聞, BLOGOS, 日本経済新聞, 毎日新聞, ITmediaNEWS

以上、ふるさと納税に関して導入から現在まで時系列にて振り返って見たが、やはり高額・高還元率の返礼金は次々と廃止されている。また、返礼金を廃止する地方自治体もさらに増えていくだろうと推察される。ここで言える事として、返礼品は突然廃止される場合もあるため、納税者にとって有益なうちに目ぼしい返礼品を寄附しておく事をおすすめしたい

 

Writer:三好真
高校時代の偏差値38のビリで元ジャニーズJr.、ウルトラマン隊員。Startup起業、慶應義塾大学を卒業後、米系コンサル(Deloitte ConsultingのStrategy部署)でタイ駐在・USA/イスラエルとのオープンイノベーション案件に関わる。海外旅をしながら、ベトナム・タイとの輸出入ビジネス・コンサルティングを行っている