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てるみくらぶ破産前に予測できたであろう6つの主な予兆

てるみくらぶのように、いきなり解散!みたいになると社員を含む関係各者は怒り心頭を通り越して呆れモードになるに違いない。先日もてるみくらぶが負債総額151億円(旅行会社では過去4番目に大きな規模)の倒産申請をしたばかり、2016年(平成28年)の全国企業倒産件数8,446社という数字を見れば、あなたも他人事ではいられないでしょう。過去最高の倒産件数は1984年(昭和59年)の20,841件。

株式会社てるみくらぶの現状を見ていると、結局は人(経営者や従業員の質)・物(旅行パッケージの売れ行き)・金(旅行チケットの支払いや利益率)に起因しているように思える。今回は、日本での過去倒産した企業ではどんな事が起きていたのか、今後倒産しそうな会社はどんな会社なのか、てるみくらぶの例を主として倒産の前兆はあるのかについて焦点を当てていきたい。

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画像:倒産した株式会社てるみくらぶの公式HP(現在はお詫びメッセージのみ表示)

 

よく話に聞く「倒産」や「破産」「民事再生」「会社更生法」の違い

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「倒産」とは、銀行取引停止処分を受け、代表取締役が企業債務の返済目処が立たず(デフォルト)であると認めた状態を指す。小さな会社であれば任意整理(私的整理)と言って、倒産会社の経営者と債権者が裁判所を介さずに、資産や負債を整理することになる。一方で、裁判所の関与・監督を介した法的整理の手法として「会社更生法」「民事再生法」「破産」「特別清算」という4つの手法が存在する

株式会社てるみくらぶの破産を例に言えば、2017年(平成29年)3月22日・IATA(国際航空運送協会)へチケット代金支払い日に、支払い総額である4億円を用意するために交渉していた銀行融資やスポンサー補助を得られないことが確定した時点で、社長の山田氏が倒産状態を認めていたことになる。その後、同年3月27日に東京地裁へ自己破産を申請、破産手続開始決定を受けた時点が破産状態に陥ったことを表す

通常の破産ではなく、その裏には2014年9月より粉飾決算が行われていたという事実が、3月28日に破産手続き開始申込書から発覚した。粉飾決算をしていたてるみくらぶの社内では何が起こっていたのか、また社外ではいかに悲惨な被害が出ていたのかについて下記の記事にまとめてみた

てるみくらぶ粉飾決算ダメ!絶対!各被害者の声まとめ

 

1. 優秀な経営陣・幹部クラスが次々と辞めていく

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画像:グリー株式会社公式HP

経営陣である役員部長クラス(企業によってはCクラス)が特別な理由もなしに辞めていくなんていう状況が続けば赤信号、優秀なリーダークラスも黄色信号。しかし、社内で続々と人が辞めていく状況があったとしても、IT企業なら集団で独立なんていう事も有りうる。前職であるDeloitte Consultingでは、取締役がプロジェクトメンバー10人ほどをまるっと連れてコンサルティング会社を設立なんていうことをもあるため、事業所単位プロジェクトメンバー単位での独立はそこまで気にする必要はない

しかし、悪い例として2011年のソーシャルゲームの波に乗り、一時はかなり好調だったIT関連企業のGREEが挙げられる。2011年に最高値を記録したGREE社の株は、2017年まで下がり続け、倒産の噂が絶えない会社の一つになった。GREEで働く知人が数人いる私にとってあまり指摘したくはない一方、次の大型倒産の可能性がある企業として頭に浮かぶ会社の一つ。 GREE社では、優秀なリーダークラスのエンジニアやディレクターが2013年初期から他社に流れているという話は絶えない。もし同社で働いているとすれば、要注意である

株式会社てるみくらぶの破綻ケースでいうと、破綻の前年においても、毎月退職者がいる環境下で働いており、退職に関して慣れ過ぎていたという元社員の口コミがあった。現状況下に慣れすぎると、優秀な社員や幹部クラスが辞めていっても気づかない可能性がある

 

2. 急に売り掛け金の回収や現金(キャッシュ)を社員や顧客に迫る

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画像:株式会社てるみくらぶ公式HP

室長や班長、係長クラスの人達が現金主義に突然切り替わるという場合は、会社が倒産しそうになっているのではなく、事業部単位が火の車になっている可能性あり。会社規模によるが、課長、次長、部長(会社によってはマネジャー、ジェネラルマネジャー)クラスがクライアント企業やユーザーへの支払いを渋ったり、ユーザーから現金回収を急ぐような指示を出し始めたら黄色信号。社長や役員クラスが少額取引と捉えられる売掛金に関して、期日以上前から回収に行くよう指示を出していると感じたら赤信号

現金主義に走っていた事例としては、先日の株式会社てるみくらぶ破産騒動が例にあげやすい。同社は、2017年3月27日に破産申請をする2-3週間前から現金一括入金キャンペーンと称し、クレジットカードのように支払いが遅れるものではなく、入金を即企業売上として反映できる現金にこだわり始めた

また、悪質だと考えられるポイントとして、破産直前の同年26日まで現金一括を受け入れていたという事。記者会見で山田社長が語ったのは、破産申請を決定したのが22日、という事は26日までの4日間はなんだったのか。ユーザー目線からすると、チケットを予約元となる旅行会社・代理店に関するニュースは渡航前、渡航後にもチェックしておきたいところ。そんな時、参考にしたいのがてるみくらぶが創立から破産に至るまでどの様な経路を辿ったかという事である。そこで、同社の創立から破産までの時系列タイムラインを下記の記事にまとめてみた

てるみくらぶ破産に至る真実と被害にあった際の対応策

今回の一件は、団体旅行で海外へ渡航している人にとっては特に他人事ではないでしょう。てるみくらぶの悲惨な事例から学べるところを学び、また海外旅行の途中で一つの旅行会社を頼りすぎない為に、海外旅行を手配する際に気をつけるべきポイントを下記の記事にまとめてみた

てるみくらぶ破産被害を避けて海外旅行を手配する5つの方法

 

3. 取引銀行(融資受け入れ先)との関係が悪化し始める

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最近やたらとうちの社長、銀行行ってるなと感じたら黄色信号。創業期なら所々業務で赴くことに納得ができる一方で、創業期を経た会社社長頻繁に銀行に赴くようになれば多少注意が必要。会社の景気が良い時には、銀行員だけでなく投資家もあちらから出向いてくるはず、そして会社のオフィスで商談が行われるのが一般的である。

知人起業家の中でも、成長著しい会社社長の電話は、融資や出資の電話が鳴り止まないもの。一方で、資金繰りが厳しい会社社長は、銀行や投資家を何件も回っては断られ、回っては断られを繰り返し、最終的に会社をたたむというケースもある。最悪のケースは、利子率が高い金融業者からの融資金を取得している場合であり、いくら利益を会社が出しても借金利子返済だけにお金が消えていく場合は、会社も消えるのは時間の問題だという事がイメージできる。

てるみくらぶの破綻ケースでいうと、すでに151億もの負債に対する利子がある段階で、社長の山田氏がさらなる融資を銀行から受けようと掛け合うも断られ、その五日後には破産申し込みに至っている。社長が資金調達にネガティブな理由で奔走している場合、社内のマネジメント不足により社員のモラル土気低下を招く場合が多い。また、社員とのコミュニケーション不足細かい業務に対しても小言や無駄な指示が増えるなど、社内の縦の関係が悪化していく。そんな状況に陥った職場があれば要注意、元々そんな社長だよ、と言われれば何も言いようがないけれども。。

 

4. お得意様や一般取引先の数が減少、関係も悪化し始める

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社内環境が悪化してくると社外環境が悪化してくる負のスパイラルへ突入する。例えば、最近顔を出さなくなってきたお得意さん多いな、それに比べて新規顧客が多いようなと感じたら黄色信号。リピート顧客の数が減り、新しい取引先を見つけないと売上を維持できなくなっている環境にいる場合がある。そんな時に限って聞くセリフがある”うちに来てみないか”という悪魔の誘惑

経営コンサルタントとして働いていた時、経営が悪化している企業の噂を同業他社や関係取引先からよく耳にするという経験が度々あった。同じ企業に長く居ればいるほど社内に対する客観的な視点が失われるというのは理解出来る、そのためにコンサルタントが雇われていたりするのも事実。ちょっとうちの会社やばいかもなと思ったら、取引先に会社への印象を聞いてみるといいかも知れない、思わぬ悪い印象に驚かないように。。

株式会社てるみくらぶ破綻のケースでいうと、山田社長は記者会見で利用する顧客獲得が数年前より難しくなっていたと語っていた。収益源であったオンラインパッケージがリピート客に売れなくなり、顧客の声を拾うことができなかったという事実が、破綻につながる単純なる広告費ぶっ込みへと経営者を走らせたのかもしれない。

 

5. 理由もなく社員全体の給与支払いが遅れる、減給される

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あなたの会社では、身に覚えのない状況で、給与の支払いが遅れたり、減給されたという経験はないでしょうか。知人の起業家の間では、上場企業でなければ企業の財務諸表を一般社員が確認できないように社内環境を作り、あえて社員の不安を煽らないように経営の重要な指標は一般社員へ伏せている場合が多い。社員にとっては経営環境が良いと思えていても、実は前から赤字を垂れ流していたなんてことはよくあるケース事を知らないとすれば末恐ろしい

株式会社てるみくらぶの破綻ケースでいうと、新卒入社社員に対してみなし残業制度(1ヶ月に36時間)を課しているにも関わらず入社するまで伏せているという隠蔽体質には恐れ入る。さらに恐ろしいのは、実際の残業時間は1ヶ月140時間にものぼるという。山田社長は役員報酬を3000万もらう前に社内環境を改善しようとは思わなかったのだろうか、私が社員だったなら怒り心頭間違いなし。。

 

6. 会社の求人募集内容が変化していく

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うちの会社、前より大量に人を採用し始めたような、前より営業の採用多くない?など疑問に思ったら経営環境を疑ってみると良いでしょう。会社の経営状況が好調で、より多様な人材を撮りたい、より多くの人材を採用したいということであればむしろ快く歓迎すべきことになるはず。

しかしながら、経営環境が一定、もしくは傾いている時に大量採用特定職採用をし始めたら黄色信号です。上記環境下では、人海戦術で薄利多売な案件を大量にとってさばくことでのみしか経営状況を維持できないなんてこともありうる。また、得意先が減って、新規顧客を大量に取るために営業職のみを採用しているという可能性も

株式会社てるみくらぶの破綻ケースでいうと、会社規模ではありえない151億円の負債を抱えながら約50人の内定者を破綻した5日後の4月1日には迎えようとしていたことになる。さらにおかしいのは、社員総数80人だったにも関わらず、50人の内定者を出していたという事実であり、自転車操業に陥っていたのは言うまでもない。

 

以上、てるみくらぶが破産する前に予測・予兆できたであろう社内外の出来事についてまとめてみた。てるみくらぶは、破産した後も「粉飾決算」を行っていた事実が出て「計画倒産」したという疑いまでかけられているというからその中でもあくどい経営体質だと言えるに違いない。 てるみくらぶの経営陣(山田社長・益永会長)が逮捕される可能せいはあるのか?については下記の記事にまとめてみた

てるみくらぶ経営陣逮捕は秒読み・被害者へ与えた罪と償い